減価償却費とはどんなもの?不動産売却でかかる税金との関係は?
不動産売却で利益が発生すると、譲渡所得に対して税金が課せられます。
しかしマンションや一戸建てのような建物の価値は、減価償却を踏まえて算出しなければなりません。
そこで不動産売却の税金に関係する、減価償却について確認していきましょう。
不動産売却の税金計算に関する減価償却費とは?
減価償却費とは、建物のような年数の経過により価値が減少していく資産を会計処理するための方法です。
不動産売却においては、取得時の価値から年数経過分を差し引いたものが、現時点での建物の価値です。
なお不動産売却にかかる税金で償却の対象になるのは建物のみで、土地部分は含まれない点に注意してください。
不動産売却の税金算出に必要な減価償却費の計算方法とは?
不動産売却にかかる税金算出に必要な減価償却費は、以下の式で計算できます。
減価償却費=取得価額×0.9×償却率×経過年数
なお償却率は建物の構造によって異なり、それぞれ以下のとおりです。
●RC造:0.015
●軽量鉄骨(3mm以下):0.036
●軽量鉄骨(3mm超4mm以下):0.025
●軽量鉄骨(4mm超):0.020
●木造:0.031
たとえば建物価格1,000万円の木造住宅を、所有期間10年で売却した場合の償却費は次の金額になります。
1,000万円×0.9×0.031×10年=279万円
不動産売却における減価償却費や税金と確定申告の関係
不動産売却において、売却益(譲渡所得)が生じると減価償却費の計上が必要になります。
そのためマイホームの売却についても償却費を算出したうえで、確定申告が必要です。
なお譲渡所得は、以下の式で計算できます。
譲渡所得=売却価格-(取得費用-建物の減価償却費+譲渡費用)
取得費用とは、物件購入時の代金や仲介手数料、各種税金を意味します。
そして譲渡費用は、売却時にかかった仲介手数料や印紙税のことです。
確定申告が不要なケース
不動産売却で利益が出なければ、確定申告は必要ありません。
しかしマイホームの売却では、損失が出たときに他の所得(給与所得など)と、損益通算できる特例があります。
さらに譲渡所得が発生しても、最大で3,000万円の特別控除が適用されます。
そしてこれらの特例を利用するためには、確定申告が必要です。
多くのケースで納める税金を少なくできるので、利益の有無にかかわらず確定申告の準備を進めましょう。